今、日本テニス界における「ジュニア育成」に、大きな変化が訪れています。
■プロを目指す人たちの「失望」
これまで、プロテニスプレイヤーを目指そうする人たちにはある共通の「失望」がありました。
「プロになっても世界で通用するプレイヤーにはなれないだろうなぁ」
「身長もそんなに高くないし筋力も微妙。日本人だし世界のプロには勝てないだろう」
・・・そんな「失望」。「あきらめ」と言い換えても良いでしょう。
前例がないから、自分も難しいのではないか。
そういう意識が、弱気を生んでしまうのですね。
「自分が第一人者になろう!」と思ってがんばれば良い・・・とも思います。
でも、プロ志望の人たちだけを責めるわけにはいきません。
日本はテニスにおける「非・強豪国」ゆえ、「プロになってもトッププロになれるわけがない」と思い込んでしまうのです。
明確なヴィジョンが見えないから自信も持てない・・・。
プロテニスプレイヤーの育ちづらさは、日本のテニスの歴史にも、原因があったのです。
■後進が育ちづらい「非・強豪国」
しかし、
「日本人には前例がない」・・・そんなことはありませんでした。
クルム伊達選手はトッププロ選手として君臨していました。
今はタレントとしてがんばる松岡修造さんも、グランドスラムの常連でした。
ただ、伊達さん、松岡さんの次に後進が育ちませんでした。
国民が「日本人トッププロ」の名前を聞くまでに、しばらく間が開いてしまいました。
日本では、他国に比べてスポーツにおけるテニスの認知度が低いです。
「テレビで放映されるスポーツ」と聞いて何を思い浮かべますか。
野球やサッカーが浮かぶ人がほとんどでしょう。
テレビは、視聴率の取れるスポーツしか放映しません。
出来るだけ多くの人が思うスポーツを放映しているのです。
日本では、テニスはまだまだ、人気も認知も足りません。
ジュニアの育成は、国民の認知度の高いスポーツから優先されがちです。
「少年野球」や「少年サッカー」はたくさんのクラブや部活がありますが、「少年テニス」はほぼ聞いたことがありませんね。
日本は、ジュニアの育成に遅れを取りがちな国だったのです。
■錦織選手の台頭がジュニア育成のきっかけに!
しかし、日本が「ジュニア育成後進国」だったのは、過去の話。
今、錦織圭選手が世界で通用するプロテニスプレイヤーとなりました。
錦織選手がプロとして活躍し続けることによって、
「日本人でも世界で活躍するプロテニスプレイヤーになれるんだ!」・・・と期待に胸を膨らませるテニス愛好家がどんどん増えてきています。
名門テニスクラブもそう考えているようです。
「ジュニアでも、イケる」。
多くのテニスクラブが、どんどんジュニア育成コースの幅を広げています。
■ジュニア選手がプロテニスプレイヤーになるためには
錦織選手は「プロになる」というテーマを具現化してくれました。
しかも・・・失礼ながら、彼は身体的にすごく恵まれているわけではありません。
「平均的な日本人でもプロテニスプレイヤーになれる」。
「平均的な日本人でも世界のトッププロになれる」。
「平均的な日本人でもグランドスラムで戦える」。
・・・錦織選手がそれを証明してくれました。
テニスを真剣にがんばるテニスプレイヤーなら、取り組み方次第ではきっとプロテニスプレイヤーになれるのです。
■メンタルコーチングを受けるテニス選手の意識の変化
私はメンタルコーチとしてテニス選手のメンタル強化トレーニングに携わっています。
錦織選手の台頭によって、メンタルコーチングを受けてくださっている選手の方々にも変化が訪れています。
数年前までは、心の片隅ではどこかあきらめムードの漂っている人がちらほらいました。
「自分ではプロになっても通用しないんじゃないか・・・」
「日本人は誰も活躍できていない。どれだけがんばっても無理なのではないか・・・」
・・・そんなあきらめムードを抱いている人がいました。
ここ最近、あきらめムードを抱くプロ志望者が激減しています。
「自分と共通項のある人が活躍している」というのはとても良いことですね。
「自分でも出来るんだ」と前向きな気持ちを維持させてくれます。
特に、テニス界における世界と日本の差に敏感になる中学生高校生の方の意識が、格段に変わっています。
あきらめムードを持っている人はほとんどいません。
「自分でもきっと出来る」
「自分もきっとプロになれる」
・・・そう思って、真剣にメンタル強化に取り組んでくれています。
■あなたもきっとプロになれる!
もし、「プロになりたい」と思っているなら・・・
錦織選手をはじめとするこれまでの日本のプロテニスプレイヤーのことを学んでください。
そして、自分の能力を信じてください。
あなたもきっとなれます。
あとは、やり方。方法論です。
筋力、スタミナ、テニス技術、そしてメンタルを鍛えて、プロを目指しましょう!